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動画とCGM(消費者生成メディア)の行方(9月19日の講演より)

ゴールネット株式会社 代表取締役社長 杉山 剛太 KandaNewsNetwork,Inc
代表取締役
神田 敏晶

 ※平成19年9月19日に行われた講演内容の一部をご紹介いたします。

◆人類の歴史は実は、情報共有の歴史であった。

一番最初に結論なのですが「人類の歴史は実は、情報共有の歴史であった」ということで、歴史を振り返りながら動画情報共有の話をしていきたいと思います。

◆ラスコー洞窟の壁画による集合知

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これは、「ラスコー洞窟の壁画による集合知」という写真ですね。
言葉も文字も何もない時代から、狩りの仕方を伝授していこうと壁画を用いて情報共有してきたといことですね。
で、ちょっとここ見ていただくと(スクリーンの右下)クリエイティブコモンズのマークがあります。
商業利用は禁止なんですが、セミナーですとか学会では利用可能なんですね。
こういった素材が何百万点も使えるようになってきています。
以前は、こういう発表のときにスライドを起こすにしても大変だったんですが、このような資料がウィキペディア等によっていとも簡単に手にいれるようになってきました。

◆ツタンカーメン王(墓メディアの時代)

壁画の次に、ツタンカーメン王の墓メディアの時代が来ます。
この時代は、宗教と王様に対するリスペクトが強くお墓になる、ミイラになることが人生で最高の栄誉。そこがゴールになっている時代がありました。

日本では、系図によって何代も遡っていくことができるのって、天皇家しかないですね。

ウィキペディアで麻生太郎さんを引っ張ってくるとなんと大久保利通さんまで遡っていける。
と同時に、青いところは全てリンクが貼られている。ウィキペディアなどいろんなものを使うことによって、ありとあらゆる情報が手に入りやすくなってきています。
このように見ていくと、ウィキペディアは文字とか写真だけなんですが、これに映像がくっついてくるというのは、あんまり難しいことではないですよね。

また、こういったものは誰かがシステムを構築して一気に作りましょうとルールを決めて作るよりも、ある程度大枠が決まっていて作りたい人が勝手に作っていくのがWEB2.0的というか、これから広がりやすいコンテンツだと思います。


◆阿久悠さんウェブサイト

これは、阿久悠さんのウェブサイトなんですけど、8月1日に亡くなられるまであまり知らなかったんですがウェブサイトを読んでいくうちに、この人の生き方すごいな~と改めて思ったんですね。面白いなーと思うのは、自分の書いたナンバーなど過去に書いた原稿が阿久悠さんのサイトに全部掲載されている。
阿久悠さんは全部アナログで書いてるんですが、それを全部デジタル化されている。実際に、本も書かれているんですが、本の原作になっているコラムも全て掲載されている。亡くなった後も社会や時代にさらに足跡を残しているのが、阿久悠さんのサイトです。

◆メルマガの父「山下憲治」

ビジネスチャンスとして思うのですが、ブロガーが死んでもブログは残るんだろうなと思います。今から50年後、遺族や子孫にとってブログは、かけがえないものになるんじゃないかと。

これは、2000年7月に亡くなられた山下憲治さんのホームページ「Ken’s HomePage」です。
山下さんは、インプレスで働いておりまして、メールマガジンの5行広告を考えた方なんですね。

インプレスが出版している「できるシリーズ」もこの人が考えられた。
例えばこのサイトも、最終更新日が2000年1月28日でとまっているんですが、今読んでも山下さんは、今おきていることを的確に表現されている。
 
この人とはメーリングリストで対決していたんですが、サイトを見て振り返るとその当時の自分が今もなお新鮮に蘇るんですよね。
ときどきサイトで調べ物をしていると、山下憲治さんのサイトが僕の検索エンジンにひっかかったりしてくる。こういうことが起きてくるんですね。今までこういう経験ってなかったんですよ。

あまり言われてないですが、ウェブサイトは、その人が亡くなってからも、ツタンカーメンの墓と同じように情報として意味を持ちはじめるんじゃないかなと感じています。

例えば、本人パスワードが遺産になったりとか。
遺族によって、世襲で更新されていたり。
法事日に個人のブログを偲ぶというのが新しいスタンスになったり。
個人映像のアーカイブメディアになったり。
今はブログに映像はくっついていないですが、これもそのうち近づいていくんじゃないかと思います。

そして、ブログはお墓より故人のリアリティが伝達できるメディアになるでしょうし、80年後には、墓メディア同等の威厳を持っているかもしれない。これはあくまでも推測なんですけど。

◆個人コンテンツのSNS化

墓メディアということで、ちょっと調べてみたのですが「Geni」というサイトがありました。
自分の名前を打ち込んでいって、家系図を作っていこうというサイトですね。故人の記録、遺族、映像、写真、資産(有形&無形)、身内コンテンツといったものが紐付けされて、ぶら下がってきたりとか、親戚、一族が共有することによって、このコンテンツが充実してきたりする。

あと面白いのは、海外だと500通り位、系図のデータベースがあるんですけどそのサイトで苗字を入力すると自分たちがどこからきたのか結構分かる。

こういう自分の身辺、自分の身内情報に関わるニュースって非常に重要だと思うんですね。
僕は、ニュースに朝青龍がでてくるとホットするんですよ。たいしたニュースがない日なんだなって(笑) ニュースのバロメーターとして朝青龍の指数があるのかなと思います。ニュースというのは、何か常に発信していかないといけないんですね。何もない日でも報道ステーションは一時間番組をやらなければならない。
ですから、情報の重み付けはニュースではできない。

◆インターネットの紀元前社会

紀元前社会を「火」をメタファーにして振り返ってみました。

200万年前:「石器の火」の発明
石器を手にしたことによって、他動物とのパワーバランスが変わってきました。

150万年前:「原始の火」の発明  
火を手にしたことによって、他の動物の中でも人類を後世に残すことができました。

1501万年前:「地域の火」の発明 
インダス、黄河、メソポタミア、エジプトなどに、文明が出来ました。

1501万年前 「心の火」 の発明 
宗教による生きる目標が生まれました。

500年前 「印刷術の火」の発明
黙読文化が生まれました。知識の共有化です。 

人類が残っていくためにツールができたり、文化ができたり、衣食住に満足すると宗教が生まれたりするんですね。ちょうど500年前にグーテンベルグ印刷技術がでてきたことによって、はじめて文字による黙読という文化がでてきました。たかだか500年前なんですね。

そして、次の500年ですが

200年前 「蒸気の火」 移動の革命 スピードとパワーの革命
150年前 「電気の火」 暮らしの革命 エレクトロニクス 
50年前 「マイクロプロセッサの火」 情報革命 
10年前 「インターネットの火」コミュニケーションの電子化  

これからが、「インターネット紀元後社会」 ようやくここで、情報のコミュニケーションの革命が起きてくる。WEB2.0はその前兆に過ぎません。

◆ニエプス写真。キネトスコープからシネマトグラフ。

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1827年にもどって、動画の話をしたいと思います。
これは、世界で最初の写真です。ニエプスが世界で一番最初に写真画像を作ることに成功しました。たまたま薬品を落としたことがきっかけで生まれてきた偶然の産物で、8時間露出して、始めて写真に転載することができました。

1839年にダゲールが発明した「ダゲレオタイプ」がでてきます。ダゲレオタイプというカメラは2.0的だなと思うのですが、ダゲールの特許をフランス政府が買い取り、ダゲールとニエプスの子孫に生涯年金を支払うことによって、「ダゲレオタイプ」は誰もが使えるものとなり普及しました。これは、面白いアイデアで、19世紀版オープンソース のビジネスモデルですね。

1888年、エジソンがキネトスコープを発明。当時はのぞきからくりと言われていました。
これは、パッケージ型のデバイスです。今の映画ではなく、フィルムを買っていただいて、
再生機も買っていただき、家のなかで見てもらう。これが、動画ビジネスの最初ですね。

その1年後に、リュミエール兄弟による「シネマトグラフ」が発明されます。シネマトグラフは、一度に多くの人が鑑賞できるスクリーンに投影される形の映画で、映画館の興業ビジネスモデルは、このときに考案されたものがずっときている。

パッケージ型のビジネスモデルを安くみんなで共有しようというビジネスモデルにかわってきたんですね。

その考えは、ハリウッドの映画ビジネスモデルも同じです。実際のほとんどは、ブロードウェイとか演劇とかクラシックコンサートにいけない人達のレジャー、副生物を見せるためのビジネスだったんですね。
最初に起きたのは、東欧ユダヤ系の人達がはじめたカウンタービジネスなんです。

例えば、
MGMは、クズ屋さん、
ワーナーブラザーズは、靴屋さん。
20世紀フォックスは、サンドウィッチ屋さん
パラマウントは毛皮屋さん
ユニバーサルは衣服屋さんが
サブカルチャーとして始めたのが映画ビジネスで、ハリウッドの安い山に大量生産できるということからスタートしてきた。


◆テレビの進化

映画で見ているものを家庭に持ち込まれたのがテレビです。
当時18万円位だったということなので、今で言うとテレビ一台600万円とか500万円。当然、庶民の手には届きませんから街灯テレビからスタートしました。それから思い起こせば、テレビは床の間に飾られていて、扉がついてたり、布でカバーがかかっていた時代がありました。当時テレビはそれぐらい贅沢なものでした。

テレビがでてきたことにより、リアルタイムな社会になって、それからリモコンがでてきて、ビデオレコーダーがでてきた。なんとなく、動画を受身で見ていたものが自分で取捨選択して見るというフェーズが増えてきました。


◆メディアと人間心理

今では、24時間多チャンネルが当然の時代ですね。新聞、雑誌、ラジオがあります。さらにインターネットがあります。ユーチューブは、ソーシャルビデオレコーダーだと思うんですね。社会でいっせいにビデオを録画してくれているというサービス。

さらに消費しきれないコンテンツ。世界中のコンテンツがライブでリアルタイムで流れているわけですよね。それを網羅するなんてとても無理な話です。

僕自身、一時テレビモニター6台並べて全部のニュースを把握してやろうとした時がありました。でも、やっぱり一個くらいしか見られないですね。逆に、6チャンネル音をだして聞くと丁度ころあいの良いノイズになるんです(笑) 渋谷のスクランブル交差点の雑踏の真ん中にいるような感覚を部屋の中で再現できるみたいな(笑)雑踏感覚なんですね。

そういったところで、コモンセンスとしての情報が、どこまでがコモンセンスなんだろう?
ふと疑問に思おうわけです。

あと最近は、情報もRSSで引っ張ったりとか、好きなブロガーの情報をウォッチしていったりしていると、どんどん進むのが、情報がマニアックになっていくのと偏食化です。自分の嫌いな情報は見向きもしない時代。そういった変化がひとつにあります。

マスメディアは有限のメディアなので、広告ビジネスが成り立つんですが、インターネットは無限のメディアで、広告ビジネスはどうなるかというと、ほとんどマッチングビジネスにかわりつつありますよね。必要な情報だけを探し出したいというのがあります。

ただ、ノイズ化された情報も必要かなと最近思いだしました。やっぱり嫌いな野菜も、時々とらないといけないなと。時々、朝青龍の情報も入ってこないと、バランスがおかしくなるんじゃないかなあ。ネットだけやっていると、雑多なノイズの情報が入ってこなくなるんですよね。
だからある意味、テレビ、雑誌、新聞従来のメディアは、ノイズを生産するということで意味があるのかもしれません。
 (平成19年9月19日「ソーシャルメディア時代を勝ちぬくWEB戦略セミナー」より)

PROFILE
■ 神田 敏晶(KandaNewsNetwork,Inc. 代表取締役)
神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の企画編集とDTPに携わる。その後、CD-ROMの制作・販売などを経て、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。現在、impress.TVキャスター、デジタルハリウッド特別講師。 2002年4月1日より日本で法人化、世界で初めての”SNS”をテーマにしたIT-BARを渋谷で展開し、現在は世界で初めてのビデオ投稿スタジオを併設したBAR 「BarTube」を運営。

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2007年10月10日 16:39に投稿されたエントリーのページです。

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